あ……どうしよう。


京様は、わたしのお願いのために、してくれてたのに。


こんなの、厚意を踏みにじったのと同じ……。



でも今さら撤回しようにも、なんて言ったらいいかわからなくて、焦りと気まずさばかりが募っていく。



「あの、……ごめ、」



ようやく絞り出した声を遮るように。

──ヴーッ、ヴーッとスマホの呼び出し音が響き。


「わるい、ちょっと」


京様はソファを離れていってしまった。