「……じゃ、俺は帰るね。そうだこれ俺の連絡先と会社だから、なんかあれば頼ってきて」

「はい、ありがとうございました」

「あぁ……そうだ、今からご飯行かない? ご飯食べてないんじゃない?」


 え……?


「図星ね、着替えてきたら? シャワーも浴びてきなよ」

「え、なんでわかるんですか?」

「まぁ……なんとなく。制服着てるし、キッチンも人の気配ないし」


 お見通しなのか。


「いいよ。待ってるから。大丈夫、変なことしないから安心して」

「えっ、はい……ありがとうございます」
 

 私は祭壇を初めて離れて自分の部屋へと服を取って浴室に向かった。
 シャワーだけ済ませるとカーキ色の透かし編ニットジレと白のシャツワンピースを着てデニムテーパードパンツを履く。

 髪は軽くまとめると部屋から有坂さんが待っている居間へと向かった。