……だけど。
十五時になっても、十六時になっても連絡すら来ないし帰っても来ない。最後に連絡があったのは、十三時に【いい子で待っててね】という少しふざけたようなメッセージ。
「遅いわねぇ……渋滞してるのかしら?」
「そうなんですかね……でもなんで連絡ないんだろう」
そんな会話をしていると、モカちゃんパパが部屋から出てきて「まだ連絡ないのか?」と問いかけた。
「えぇ、そうなんです……」
「俺も連絡してみるよ。芭奈ちゃん、きっと大丈夫だよ」
「……はい」
私はなんだか強い不安感に襲われて、心臓がバクバクしてきた。その瞬間、私のスマホから着信音が鳴り響いた。
見知らぬ番号だった。何故か怖くて出られない私にモカちゃんパパが出てくれて、相槌を打ち「失礼します」と言うと私にスマホを渡した。
「芭奈ちゃん。落ち着いて聞いて欲しい……今から、さくらまち総合病院に行こう。貴仁さんと結花さんが事故に遭ったらしい」
鈍器で頭を殴られたんじゃないかってくらい、私の頭の中は真っ白になった――……