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「モカちゃん、帰ろ〜」

「あー……芭奈」


 無事今日も終わり放課後、モカちゃんの席に行くと彼女は顔を伏せて唸っていた。


「どうしたの?」

「これ、もらってしまった」


 モカちゃんが持っていたのは黄色の紙。そこには【高山百花】と書かれていてその下には教科名が三つも記入されていた。


「注意勧告か……ミニテストと中間テスト出来んかったの?」

「うん、実はできなかったの……私、後ろから二番目だったし」

「そうなんだ、じゃ期末は頑張らないとだね……一緒に勉強しよう。一週間あれば大丈夫だよ」


 私はモカちゃんを元気付ける。


「……それに、」

「ん? まだなんかあるの?」

「失恋したの」


 ……ん? しつれん、……失恋!?