桜牙コーチの怒鳴りが 広いグラウンドを駆ける。 空に浮かぶ雲まで 吹き飛ばすほどの わめき声。 さすがの亮くんも 般若みたいなコーチの目が 怖かったみたい。 ボールを抱えたまま 今にも泣き出しそうに 顔を歪めている。 うつむく亮くんの頭。 桜牙コーチが、手のひらを置いた。 さっきの般若顔が嘘のよう。 春の陽だまりみたいな お兄ちゃん笑顔で、 亮くんを見つめている。