恋と旧懐~兎な彼と私~

「関係ないでしょ。愛深が嫌がってないならいいの」

「関係ある」

「なんで」

「……愛深が俺のだから。ベタベタしないで」

「そういう思わせぶりなの,良くないと思う」

「それこそ慧に関係ない」

「ある!」

「なんで」

「俺は愛深が大事だから!」



暁くんは眉を寄せた。



「はいはい。お2人さん。そこまでにしときな」

「そうだぞ唯兎。ところで初恋の相手探しは終わったの? どんな人」



暁くんはなんで俺だけと言わんばかりの不満顔で弘をにらむ。



「童顔でちっちゃくて笑顔が可愛くて良い匂いのする先輩!」



慧は怒っているからか弘になれたからか分からないけど,大きな声で捲し立てた。



「まさか……」



弘は心当たりがあるのか驚いた顔をする。