「このメロンパン、さくっさっく〜……うまっ」
クッキー生地もほんのりの甘さだし、この紅茶に合うな〜。
「あれ? 清水さん?」
「えっ! 先輩……っ? どうしてここに」
いきなり現れた先輩に驚いてむせてしまった。
「だ、大丈夫? どうしてって、ここ俺のバイト先だから」
ええ!?
「大学が近くにあるからね……」
「大学って、あのT大学ですか?」
「うん、そうだよ」
噂では聞いてたけど、本当だったとは……成績優秀なのは知っていたけどT大学に行っていたなんて。あの高校は進学校だから当然か。
「すごいですね……」
「そんなことないよ、パン屋だったらもしかしたら清水さんに会えるかな〜って思ったんだよね」
「えっ」
「でも、清水さんは幸せみたいだから諦めがついた」
先輩は、紅茶のおかわりを淹れてくれて「ありがと、ゆっくりしていって」と言い厨房の方に入っていった。
幸せ。うん、幸せだよ。
メロンパンを頬張りながら庵さんのパンが食べたくなって彼に連絡を入れる。
【今からパン買いに行っていいですか?】
と、メッセージを送ると一分も経たずに返って来て【待ってる】とスマホの画面に表示された。
私は急いでお店を出て彼が待ってるであろうお店に向かった。



