「初めまして、彩愛の彼氏の倉橋です。小さいけどパン屋やってます」
「は、初めましてっ……星(きら)です。彩愛ちゃんとはとても仲良くしていただいて、て!」
緊張して噛み噛みの彼女と余裕な顔で笑う庵さんが面白くて笑ってしまいそうになる。
「彩愛そろそろ帰ろうか、ご両親が心配するよ」
そう言った庵さんと私は、星ちゃんと別れると手を繋いで駅まで歩く。
「うん、庵さん……今日はどうしたんですか」
「ご飯食べて帰ろうと思って、大丈夫。お父さんにはちゃんと許可は取ってあるよ」
「え……ありがとうございます。ご飯行きたいです、行きますっ!」
手を挙げて元気よくそう言うと、庵さんは私の髪をワシャワシャとすると「行こうか」と言い駅方面に歩き出した。



