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その後ももちろん、私はパン屋さんで働いている。
定休日にも試作をしている庵さんはなかなか休みのない。私との時間は休憩中と働いている時しかなくて、前と違うことと言えば勤務中にちょっとしたスキンシップが増えたことと定休日にもお店に彼に会うようになったくらいかもしれない。
付き合い始めた日すぐに、“手は出さない”と宣言した通り庵さんは手を繋いだり抱きしめられたりくらいで何もしてこない。
魅力がないのかもと考えたが……私の両親を安心させるためでもあると思っている。
告白された翌日に庵さんは家に挨拶に来た。
それはそれは年上の彼に驚きが隠せないようだったけど、彼は「大切にします」とまるで結婚の挨拶かのように言い土下座をした。思い出すといまだに顔が熱くなる……。
「彩ちゃん、次食パン焼けるよー」
「はーい、今行きます」
私は厨房入り口で食パンを受け取ると店内のベルが鳴ってすぐに戻った。
「いらっしゃいませ……西本さんっ、今焼き立てですよ〜」
「あら、そうなの? じゃあ、食パン二斤頂こうかな。それとクリームチーズとベリーパンね」
「はい、毎度ありがとうございます」
私が紙袋を開きパンを詰めようとトングを持つと「代わるよ」と庵さんが来てくれたので私はお金をいただく。



