「奏志、奏志ってば!」

「は、え、ん、なに!?」

「さっきからぼーっとしてどったの?大志もうすぐ帰って来るってLINE来たから、そしたらどっか3人で遊びに行こうよ!」

「あぁーいいけど」

つい昔を思い出してしまった。懐かしい記憶だな。

「ただいまっ」

玄関から声がした。

「あ、ほら帰って来た!」

その声を聞いて、芽衣が立ち上がった。

「あ、待って芽衣!」

「ん?何?」

咄嗟に腕を掴んでしまった。

「あのさ、さっきの…優志が弟だけど弟じゃないとかなんとか」

「うん?なに?」

「いや、弟じゃないけど。…あのでもっ別にお前とーあー…血は繋がってなくても、一緒にいてもいいから!!」

あ、やべぇ…なんか言葉変だった。

「何言ってるの?」

だよな、俺も何言ってるんだろうな。

「昔もそんなこと言ってなかったけ?笑」

「え?」

「わかってるよ、もうそんなの気にしてないよ!」

「おぉ、そっか!」



俺らには俺らの関係がある。
だからもう気にしなくていい。


…もう気にするヤツもいないか。