そんなわけで次の休日、私たちはさっそく近くにある水族館にやってきた。

「秋葉って、水族館にはよく来るの?」

「いや、ガキの時以来かな」

 そんな話をしながら、二人で大きな水槽の前を歩く。

 サンゴ礁を再現した大きな水槽には、青や黄色の魚が宝石みたいに輝いている。

「わあ、キレイ。見てるだけで涼しそう!」

「ああ、そうだな」

 私は水槽の横に貼ってある説明を読んだ。

 どうやら、この水槽はオセアニアの海を再現しているみたい。キレイだなあ。

 そう思って顔を上げると、秋葉くんがいない。

 あれ? 秋葉は?

 辺りを見回して、すぐに秋葉を見つける。

 秋葉は、少し離れた所から水槽を見上げていた。

 整った横顔に青い光がキラキラと反射して、今にも海の中に消えてしまいそう。

 うーん、絵になるなあ。

 こうして遠くから見ると、乱暴な所とかぶっきらぼうなところが消えうせて、いかにも美少年って感じに見える。

 むしろ儚げで、繊細そうにも見えるのが不思議。