おはぎをレジに持っていき、会計をしていると、莉茉ちゃんがすまなそうな顔をする。

「何だかごめんね、邪魔しちゃったみたいで」

「大丈夫だよ。別に混んでる時間じゃないし、来てくれて嬉しいよ」

 私はチラリと秋葉と清ちゃんの方を見た。

 最初は清ちゃんが秋葉を質問攻めにしていたけど、今は二人、あんこの産地がどうの、作り方がどうのと真剣な顔で話しこんでいる。

 なんか意外に楽しそうだな。二人、実は気が合うのかも。

 私が二人を見てクスリと笑うと、莉茉ちゃんは私の手に何かを握らせた。

「……これは?」

 見ると、莉茉ちゃんが渡してきたのは水族館のチケットが二枚。

「今日のおわび。二人で行ってきて」

「えっ、いいの?」

「いいの。これ、親戚のおじさんに貰ったやつだからタダだし、私の分もあるからさ」

「そ、それなら――」

 私は水族館のチケットをポケットにしまいこんだ。

 水族館。

 私はお魚を見るのって結構好きだから行きたいんだけど――。

 私は清ちゃんと話しこんでいる秋葉を横目で見た。

 秋葉、一緒に行ってくれるかな?