「こ、こんにちはー」

 恐る恐るお店の中に入ると、黒いエプロンをつけた男の人が出てきた。

「いらっしゃいませ」

 年は二十代半ばぐらいかな。

 スラリとした長身に、少しくせっ毛の黒髪。切れ長の大きな瞳に、スッと通った鼻。

 わあ、この店員さん、凄くイケメン!

 ……だけどなぜだろう、どこかで見た顔のような。

 うーん、思い出せない。

「いらっしゃいませ、何にいたしますか?」

 優しく尋ねてくる店員さん。

「あ、えーっとじゃあ、大福を一つ」

「大福ですね」

 大福一個を買い、レジで会計をすませる。

 すると、ふと壁に貼ってある紙に目が行った。

 『アルバイト募集。条件は応相談。住込みも可』