私はクッキーを取り戻そうとぴょんぴょん飛び跳ねた。

 うーん、背が小さいから全然届かない。

「わはははは! これは俺様がいただく!」

 秋葉は嬉しそうに笑うと、片手で私の頭を押さえ、もう片方の手でパクリと私のクッキーを食べてしまった。

「わっ、私のクッキーが!」

「うん、中々美味い」

「もう、あんたはたくさんファンがいるんだから、ファンの子から貰えば良いでしょ!?」

 私がむくれると、秋葉はフンと鼻で笑う。

「そんなの、何が入ってるか分かったもんじゃねーだろ。その点お前のなら安心だしな」

 そう言いながら、私のクッキーをバクバク食べる秋葉。

「わー、私の分、残しておいてよ!」

 私が叫ぶと、秋葉は別の袋をグイッと私に押し付けた。

「はい」

「え?」

 私が秋葉の顔とクッキーの袋を交互に見ていると、秋葉はフンと鼻で笑った。

「お前には俺の作ったクッキーをやろう」

 きゃあああああっ、と悲鳴が上がる。

 え、いや、そういう問題じゃ……。

 っていうか、自分のがあるんなら自分のを食べればいいじゃん!

「……もう、ワケわかんない」

 なんなのアイツ!