「とりあえず、私はバイトをすることに決めたの!」

 私が再び求人雑誌を開くと、莉茉ちゃんはうーん、と腕を組んだ。

「でもさ、仕事を探すにしても、そういう雑誌ってそんなにいいバイト載ってないでしょ」

「そうなんだよね」

 私がガックリと肩を落とすと、莉茉ちゃんは、ポンポンと背中を叩いてくれた。

「それよりさ、街を歩いて探してみたら?」

「街を?」

「うん。街を歩くと、意外とお店の壁とか窓に、バイト募集の張り紙が貼ってあったりするんだよ」

「本当?」

「うん。私が去年の夏休みに働いてたカフェのバイトも、そうやって見つけたんだ」

「そうなんだ」

 そういえば、去年、莉茉ちゃんカフェでバイトしてたっけ。

 制服、可愛かったなあ。

「そうだ、本屋なんかどう? 花帆、本読むの好きでしょ? 本屋さんのアルバイト、探してみなよ」

「本屋の? うわあ、それ良いかも!」

 何せ私は、三度のご飯より読書が好きな読書人間。

 そうだ、本屋で働けばいいんだ!

「ありがとう、莉茉ちゃん。さっそく帰りに、本屋さんに寄ってみるね」