やがて私たちは、商店街の中にある小さな本屋さんへやってきた。

「こんな小さな店で良いのか」

「うん、ここ、個人経営のお店だけど、ポップのコンテストで賞を取ったってネットで見て――」

「へー、そうなんだ」

 私はウキウキしながら本屋さんへと足を踏み入れた。

 本はネットでいくらでも買える時代。

 だけど、本屋さんに行って本を選ぶのはやっぱり格別だなあって私は思う。

 紙とインクの独特の匂いとか。

 意外な本との出会いとか。

「本当だ。店内の飾り付けが凝ってるな」

 秋葉は、店内に入るなり積み上げられた本を見て目を丸くする。

「そうそう。しかも見てこれ。このイラストとか解説も、ここの店員さんが手書きしたものらしくて」

「へえ、すげぇ」

 私はすぐに目当ての本を見つけた。

 だけど、ポップに惹かれて、目当ての本以外の本もついつい手に取っちゃう。

 まるで遊園地みたい。

 見ているだけでワクワクしてきちゃう。