「あ、そう言えばそれ」

 と、悠一さんが私の持っていたどら焼きを指さす。

「ああ。これ、秋葉にもらったんです」

 私がさっきのことを悠一さんに話すと、悠一さんは大きく目を見開いた。

「へえ、秋葉のやつがそんなことを」

 うれしそうに頬をほころばせると、悠一さんは言った。

「何だか君たち、どら焼きみたいだね」

「へっ?」

 私と秋葉が……どら焼き? どういうこと??

 私が頭にはてなマークをたくさん浮かべていると、悠一さんはクスリと笑った。

「ほら、君たちって、ホットケーキとあんこみたいに、一見全然違うものみたいじゃない。でも、二つ合わさると凄く美味しい」

「そうでしょうか」

「うん、僕はね君たちは実は相性がいいと思っているよ。違うところもたくさんあるけど、似ているところもあるからね」

 似ているところ。

 私にはよく分からない。

 けど、悠一さんが言うならそうなのかな。

 ……私と秋葉、これから上手くやっていけるのかな?