ビターなアイツと甘い関係 ~毒舌王子と同居して、ナイショの甘いバイトはじめました~


「――なっ!」
「ウチら別にそういうつもりじゃ」

 言い訳する二人に、秋葉はピシャリと言い放つ。

「とにかく、今度花帆を悪く言ったら俺が許さねーから。分かったらとっとと帰れ」

 秋葉に追い払われ、二人はバツが悪そうに店を出ていく。

 その後ろ姿を見て、私はようやく息を吐いた。
 
「……ありがとう、かばってくれて」

 私が頭を下げると、秋葉はフンと鼻を鳴らした。

「いや、別に。ただ単に頭に来ただけだし」

 そういうと、秋葉はクルリと私へ向き直った。

「だいたい花帆もさ、どうしてちゃんと本当のこと言わないんだよ。俺、そういうの一番イライラする」

 唇を噛み締める秋葉。

 あ、そっか。

 秋葉、正義感が強いからああいうのイヤなんだな。

「……ごめん」

 ……秋葉に、迷惑かけちゃった。

 私がうつむいていると、秋葉はコツンと私の額を小突いた。

「ばーか、お前のせいじゃねぇよ」

 そう言うと、秋葉は私の手にどら焼きを一つ押し付けた。

「それ、俺のおごり。先に休憩入っていいから、それでも食っとけ」

「……ありがとう」

 ……もしかして、なぐさめようとしてくれてる?

 意外と優しいところ、あるんだな。

 私は秋葉からもらったどら焼きを手に休憩に入った。