ビターなアイツと甘い関係 ~毒舌王子と同居して、ナイショの甘いバイトはじめました~

「花帆は偶然ここでバイトすることになったんだ」

 秋葉が面倒臭そうに説明する。

「えー、偶然?」
「それって本当なの?」

 サユリちゃんとユリアちゃんが眉をひそめる。

「もしかして、秋葉くんがここでバイトしてるって知って、わざとここにしたんじゃないの?」
「そーそー。ずるいよね」

「ち、違います。本当にたまたま――」

 私は必死で否定したんだけど、二人は疑いの目で私を問いつめる。

「たまたまだなんて、嘘に決まってるじゃん。大人しそうな顔してやることがずるいよね」
「そうそう、こんな子よりだったら、ウチらを雇いなよ。喋るのは得意だし、愛想はいいしさ。こんな地味な子――」

 と、そこまで二人が言ったところで、秋葉は低い声で呟いた。

「――黙れよ」

 小さい声だけど、すごい剣幕で、思わず私もビクリとしてしまう。

 二人も、ハッと顔を青くした。

 秋葉は怖い顔で二人を睨みつける。

「花帆は真面目だし努力家だし、何より和菓子が好きでここにいるんだよ。お前らみたいなのと一緒にすんな」