お蕎麦を食べ終わると、秋葉はさっさと部屋に戻ってしまった。

 私は額の汗をタオルでぬぐった。

 なんだか重い荷物ばっかり持ったせいか、汗だくだな。

「あの、悠一さん。シャワー浴びてきてもいいですか?」

「うん、行ってらっしゃい。バスルームはこっちだよ。ボディーソープとか、勝手に使ってもいいから」

「ありがとうございます」

 良かった。

 秋葉はやっぱり少し苦手だけど、悠一さんは話しやすくて良い人だな。

 さっそくお言葉に甘えてシャワーを借りる。

 ベタベタした汗が洗い流されて、気持ち良い。

 だけど――。

「あれっ、シャンプーがない」

 私のシャンプーが無い。

 さっき荷物を開けた時に見つけたはずなのに。

 ――あ、そっか。脱衣場に置いたっけ。

 私は浴室の戸を開け、シャンプーを取ろうとした。