頭の中が真っ白になる。

 本当に? 本当に私でいいの?
 夢じゃないよね?

 私は秋葉の言葉を噛みしめると、震える声で返事をした。

「うん……」

 言いたいことは沢山あったけど、言葉は出てこなかった。

 代わりに溢れたのは、熱くて、甘くて、幸せな、今まで感じたことの無い気持ち。

 何だろう。

 心の底に、まるで金平糖みたいに、甘くてキラキラしたものが溢れ出す。

 甘いお菓子は沢山知ってるけど、こんな甘い気持ちは初めてで――。

 その時私は思った。

 ああ、誰か教えて。

 この甘い気持ちのわけを誰か教えて、って。

 そんな風に思って――。

 生まれて初めて、私はお菓子よりも甘いものを知ったのでした。




「…………私も、好きだよ」