「友達ねぇ」
「とりあえず、実咲さんに連絡して!」
私がゴミ箱から拾い上げたメモを渡すと、秋葉は渋々それを受け取った。
「連絡するまで見てるからね」
「分かったよ。ほら、送ったから」
秋葉は“何の用?”というそっけないメッセージを咲さんに送った。
味気ない文面だけど、一応、実咲さんに連絡させるというミッションはこれで果たされた。
「これでいい?」
秋葉はスマホを置くと、眉間にシワを寄せて息を吐いた。
「全く。向こうは俺の連絡先を知ってるんだから、用があるなら向こうから連絡してくればいいのに」
ブツブツとつぶやく秋葉。
「いつもそうだ。いくら美人だからっていつも男の方から何かしてくれると思うなよ。いつも周りが自分に合わせてくれると思ってるんだから、全く」
「そんな事ないよ。きっと微妙な女心があるんだよ」
慌ててフォローをする私を、秋葉はチラリと見て視線をそらした。
「とにかく、花帆はもうこれ以上、実咲に関わるな」
「うん、ごめんね、色々と」
なんで私がすまない気分になっているのだろう。
外を見ると、灰色の雲がどんよりと影を落としている。
夕立が近づいている気配がした。



