「そ、それ……褒めてるんですか?」
「うん、褒めてる」
卯月くんは真顔で答える。
「ほら、あんた、いつも学校ではボーッとしてるじゃん?」
「ぼ、ボーッとなんてしてません!」
……いや、少しはしてるかもしれないけど。
でもいつもじゃない!
っていうか失礼じゃない!?
クラスでもほとんど話したことないのに。
仲良くもないのにそんなこと言うなんて。
卯月くんは私の反論を無視して続ける。
「でもあんたの笑った顔は、正直、結構良かった」
「えっ」
顔がかあっと熱くなる。
それって、どういう――。
「ってことは、採用でいい?」
店長さんの問いに、卯月くんは即答する。
「ああ、いいよ。和菓子好きなのは本当みたいだし」
……ウソ。
毒舌王子が面接官で、絶対に受からないと思ってたのに。
――アルバイト、採用されちゃった!?


