「悠一さん、ちょっといいですか?」

 その日の夜、私は悠一さんに事情を説明した。

「……そっか、叔母さんと一緒に住むのか。叔母さんが見つかったのは良かったけど……何だか少し寂しくなるね」

 少ししょんぼりした顔で笑う悠一さん。

 でも仕方ないよね。こうするのが一番いいはずだし。

「秋葉も寂しがるよ」

 悠一さんは秋葉の部屋のドアを見つめる。

 この事は、秋葉にはまだ話していない。

「そうですかね……」

「そうだよ」

 悠一さんが即答する。

「秋葉がこんなに打ち解けた女の子って初めてだし、きっと寂しいと思うよ」

 そうかなあ。

「――ところで」

 悠一さんがずいっと姿勢を直す。

「バイトは続けてくれるんだよね?」

 そっか……バイトは……。

 私は下を向くと、手をギュッと握りしめた。

「……とりあえず次のバイトさんが決まるまでは働きます」

「そうか。バイトも辞めるんだ」

「はい、ゆくゆくは」

 寂しいけど……これでいいんだよね?

 だって、秋葉のそばにいると、苦しくなっちゃう。

 悲しくて、苦しくて、気持ちが抑えきれなくなっちゃう。

 でもそんなの、秋葉には迷惑だから。

 だから――これ以上そばには居られない。

 秋葉のそばには居られないよ。