その週末、私は久しぶりに叔母さんに会った。

「でさー、その男がね、奥さんと別れて私と結婚するって言ってたのに、結局、奥さんの所に戻っちゃったの! 酷くない!?」

 長々と愚痴をこぼす叔母さん。

「はあ」

 私は気の抜けた返事をして、叔母さんのおごってくれたドリアをほおばった。

 私の予想通り、叔母さんは駆け落ちをしていたみたい。

 だけど、上手くいかなかったから、結局戻ってきた……と。

 何だか身勝手すぎない!?

 でも――。

「ごめんね、花帆ちゃん、不便な思いさせて。これからはまた一緒に暮らそうね」

 涙目になりながら、私の手をギュッと握る叔母さん。

 納得はいかないけど――これはチャンスかもしれない。

 秋葉を好きだと自覚しちゃった以上、これ以上は一緒に住めない。

 これからは、やっぱり元通り叔母さんと一緒に暮らすべきなのかも。

 お父さんとお母さんも心配するし。

 それが一番良い。

「……うん、分かった。一緒に暮らそう」

 私はゆっくりとうなずいた。