ザワザワとさわがしい店内。
莉茉ちゃんがスマホを確認する。
「ええっと、確か115号室――」
どうやら、男の子たちは先にお店に入っているみたい。
莉茉ちゃんが言うには、相手は超一流高校の生徒たち。
偏差値も、ものすごく高いんだって。
何だかすごいなあ。
「あ、あった、この部屋だよ」
莉茉ちゃんがそうっと115号室のドアを開ける。
「こんにちはー。お待たせしましたぁ」
すると男の子たちが、私たちをじっと見さだめるような視線を投げた。
――うわあっ。
何かイヤだなあ、こういうの。
私がカチンコチンに固まっていると、莉茉ちゃんが手まねきした。
「ほら早く、花帆、こっち座るよ」
良かった。
莉茉ちゃんの隣に座れるなら安心。
これなら男の子とお話しなくても、莉茉ちゃんとお話してればいいよね。