えっ。

 店長さんの言葉に、頭が真っ白になる。

 卯月くんが弟?

 ってことは、この二人は兄弟で、ここは卯月くんのおうち!?

 私、卯月くんの家でアルバイトしようとしてたの!?

 まさか、そんな事って! 

 あっけに取られている私をよそに、店長さんは続ける。

「今日は俺と弟の二人で面接をしようと思う。弟のほうが、人を見る目が確かだからね」

 しかも卯月くんが面接官!?

 私が口をパクパクさせていると、卯月くんはニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべた。

「ま、せいぜいよろしくな」

 ええーっ、そんなのあり!?

 ……終わった。
 
 これ、完全に落ちたわ。

 だって私、クラスでも目立たないほうだし、卯月くんとも仲良くない。

 絶対に読書ばっかりで暗いやつだって思われてるに決まってるもん。

 確実に、卯月くんに面接で落とされるよ。

 はーあ、せっかく良いバイト先が見つかったと思ったのに。