そして翌日の放課後。

「うう、緊張するなあ」

 私は履歴書を手に、再び兎月堂へとやってきた。

「こんにちはー。アルバイトの面接に――」

 と、そこまで言いかけて息を飲む。

 店の中に、見知った顔がいた。

 金髪にピアス。着崩した制服。そして女の子のように綺麗な顔。

 店の中にいたのは――毒舌王子こと卯月秋葉くんだった。

「よう」

 卯月くんは私の顔を見てニヤリと笑う。

「えっ……どうして卯月くんが?」

 私がキョトンとしていると、店の奥から昨日の優しそうな店員さんが出てきた。

「おっ、来たね」

 店員さんはニッコリと微笑むと、自己紹介してくれる。

「それでは改めて、僕は卯月(うづき)悠一(ゆういち)。ここの店長だよ」

 へえ、こんなに若いのに店長さんなんだ。凄いなあ。

 って……卯月?

 私が疑問に思っていると、店長さんは、くるりと卯月くんに向き直る。

「そして――こいつは卯月秋葉。俺の弟だ」