それを知ったときにルシウスの中で湧き上がったのは、強い嫉妬心だった。

 何だ、自分は会うのが不安だと言いながら、シエラ・ダグラスに会いたくてたまらないのではないか。

 そうわかって、笑いが込み上げてきた。ようやく決心がついたのだ。その決心が変わらないうちに、ルシウスは急いでシエラ宛ての手紙をしたためた。



 そして、彼女に会ってみるという判断が正しかったのだということは、シエラと初めて目を合わせたその瞬間にわかった。

 確かな証拠があったわけではなく、あくまで感覚に過ぎない。



 ……世界に、色が付いた感覚。

 それは前世で静奈と出会った時に感じたものと全く同じだった。