「それ、モモのベッドに昔からあるやつだよな。なんなの、そのヘンな生き物」
「ヘンじゃないよ。チンアナゴだよ! 私のチンちゃんを侮辱しないで!」
「チン……?」
「うん。チンちゃん」
もらったときから名前を付けてかわいがってるの。名前を付けた方が、なんでも愛着がわくよね?
「なに、そのネーミングセンス」
なのに、今日も伊緒くんにバッサリ斬られる。
やっぱり……。
言われると思ったから、今まで伊緒くんの前では名前を公表してこなかったんだ。
6年も頑張ったのに、うっかり言っちゃったよ~。
ここはもう開き直るしかない。
「かわいくない?」