へっ?
「早く乾かさないと風邪ひくでしょ」
それって、乾かしてくれるってこと!?
しょうがないなーって顔をしながら、おいでおいでする伊緒くん。
「お願いしまーす」
そうとなれば私はふたつ返事で伊緒くんの前に座った。
伊緒くんに髪を乾かしてもらえるなんて、なんのご褒美だろう。
伊緒くんは、手櫛を通しながら優しく乾かしてくれる。美容院に行ったときみたい。
ああ、いい気持ち。このまま寝れちゃいそう。
「ふわあ……」
自然にまぶたが落ちてきちゃう。
「ドライヤーかけながら寝るやつがいるかよ……」
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