ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


なにをするのもいつも一緒で、中学まで同じ学校に通い、まるで双子のように育った俺らだったけど、大きな分かれ道がやって来た。

俺らの学力に差があったからだ。

有名進学校へ進むように担任からは言われたが、とある中堅校が人集めのために設立した特進クラスへ進学することに決めた。

そこなら、普通クラスでモモも合格できそうだったからだ。


一緒に高校のパンフレットを見て、モモを誘導して……。


『校舎キレイ~、制服可愛い~、この学食おいしそ~』


きれいなもの、可愛いもの、美味しいもの。

その3点セットがあればモモが喜ぶことは知っている。


『決めた! 私ここ受験する!』


モモをその気にさせるなんて俺には簡単なんだよ。

そして、見事一緒に合格した。

俺は、特進クラスだけど……。

普通クラスを受けると言ったら『冗談はやめてくれ』と担任に止められたんだ。