俺は、モモの親に宣言した。
『大きくなっても傷が残ってたら、俺が責任取る』
だって、顔にキズがあったら、嫁にいけないかもしれないんだろ?
『あら~、伊緒くんなら大歓迎よ~。もちろん、責任なんてことは抜きでね』
なんて茶化すおばさんだったけど、それは俺に気を使わせないためだろう。
大切な娘の顔にキズを付けた俺のことを、本当は恨んでいるかもしれない。
モモだって……消えない傷を作った俺のことを恨んでるのかもしれない。
けれど、モモは『伊緒くん伊緒くんっ』と、変わらず俺に微笑みかけてくれている。
俺がそっこそり傷の確認をしていること、モモはわかってるだろう。けど、今みたいに何も言わない。
お互い、わかってて言葉にしないんだ。



