こんな公衆の面前で……!
伊緒くんてば、ダイタン!
「ふーん、じゃああの子見て」
甘いセリフとは程遠く、そのまま顔を右90度ふられた。
わっ。
首がボキッっていったよ、ボキッて!
も~、強引なんだからあ!
あごクイされるの?ってドキドキした自分がバカみたい。
「あれ?」
私は首を傾げた。
だって、お母さんと一緒に門をくぐって来た女の子が、青い線の入ったリボンをしていたから。
「あれあれ?」
そして、こっちの男の子のネクタイは赤線。
「どういうこと?」
周りを見ながら焦る私を面白そうに笑う伊緒くん。



