ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


──だから、私は早速実行したんだ。


「うわあっ!」


おっかなびっくり、プライパンの中にお肉を投入したら、手に油がはねてきた。

慌てて、水道の蛇口をひねって冷やす。

ううっ……痛い……。これ、ヤケドしちゃったのかなあ。


「あっ!」


水で冷やし続けていたら、お肉のことをすっかり忘れていて。

慌てて火を消すと、フライパンの中の豚肉はカリカリになっていた。


「うそー……」


伊緒くんに頼ってばかりいないで自立しよう。

そう考えた私は、伊緒くんに任せっきりだったご飯作りから始めてみようと思ったんだ。

冷蔵庫に何があるか把握も出来ていなかったから、学校帰りにスーパーによってきたの。

初心者が作る定番メニューと言えばカレーだよね。

カレーなら、調理実習でも作ったことがあるから私にもできそうだし。

切って炒めて煮込むだけ……とっても簡単だと思ったのに。