なんて、微笑みながら同意を求められてもこまっちゃう。
今の今まで、伊緒くんは宇野くんのことを好きだと思っていたんだから。
「もちろん、女の子だよ?」
「……っ」
やっぱり。
本当だったら喜ぶところなのに、今の私にはまったく喜べなかったんだ。
「そ、そう……」
「え、なんでそんなにガッカリしてるの!?」
「ありがとう……」
お礼を言って、すーっとその場を離れる私は魂が抜けた人みたいだったはず。
「え? 鈴里さん?」
その背中に呼びかける声が聞こえたけど、私はそのままその場を離れた。
伊緒くんは、「女には興味がない」と言ってあらゆる告白を断って来た。
それを聞いて、私は伊緒くんは男の子が好きなんだと思ってた。
その相手はきっと宇野くん……。
だから、いつも宇野くんを牽制してた。恋のライバルだと思って。



