ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


「モモと俺が同じなわけないじゃん」


そりゃあ、中学の成績がオール5で、バスケ部の部長で、生徒会長までやっていた伊緒くんと私のレベルが違うのは知ってるけど。


「違うコースがあるなんて知らなかったよぉぉぉ」

「通う高校の仕組みくらい調べるでしょ、ふつう」

「ううっ」

「じゃあ、どうしてモモのネクタイは赤なの?」


伊緒くんが、私の胸元のリボンを、ピンとはじいた。

触れられて、胸がどきんと跳ねる。


「えっとお……女子、だから……?」


ドキドキしながら言うと。

伊緒くんのきれいな指が、私のあご先を掴んだ。

──ドクンッ。

こ、これは。

少女漫画で見たあごクイを彷彿とさせるようなシチュエーションで、さっきよりも心臓が暴れだす。