ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


「は? バカなの?」


ううっ。

こんな入学式というハレの日にまで毒舌が飛んでくるとは。

しかも、全然残念そうじゃないし。


「伊緒くんひどいっ……」


涙目になりかけた私に、立て続けにありえない言葉が届いた。


「同じクラスになれるわけないじゃん。俺特進クラスなんだから」

「えっ、と、とく……?」


なんですか、それ。

頭にハテナの行進が並ぶ。


伊緒くんはプリントに目をやって「1組か」とつぶやく。

プリントをよく見ると、特進クラスは1~3組、普通クラスは4~12組と書いてあった。


「ほ、ほんとだ……! って、伊緒くんが特進クラスなんて聞いてない!」


初耳なんですけどおっ!?