「ひゃっ、ちょっ……!」


伊緒くんてば、どうしてそんなにお仕置きが好きなの!?


「モモの反応面白い」


って、首と髪の間に顔をうずめて動かなくなっちゃう伊緒くん。


「……あったかい」


ドクンドクン……。

伊緒くんの鼓動が体に伝わってくる。


豪雨の中、私を抱きしめてくれていたことを思い出す。

さっきの伊緒くん、いつになく優しくて、男らしかったな。

余裕がある今はこんな風にイジワルだけど、いざとなったらやっぱり優しいのは
昔から変わらない。


「モモ、背中に手まわして」


えっ?

思わぬお願いに、どうしていいのか戸惑う。

両手はあいてるけど……。