「も、もうっ、からかわないでよっ……」
「本気なのになー」
両手を上にあげて伸びをしながら言う真柴くんからは、これっぽちも本気なんて感じられないよ。
「そんなに頑なだと、ますます欲しくなるよね」
チラッと横目で見ながらサラッと。
な、なにを言ってるの、真柴くん!!
──ゴロゴロゴロッ!!!!!
「ひっ!」
そのとき、遠くでカミナリが鳴って肩がビクッと上がった。
「あれ? もしかしてカミナリ怖いの?」
「べっ、べつにっ」
私はふるふると首を横に振った。
高校生にもなってカミナリが怖いなんて恥ずかしい。
だって、中学生の時にちょっとカミナリが鳴ってびくびくしてたら、伊緒くんに笑われたし。
強がって言ったのはいいけど。



