そんなこと言われても、こまるよ……。
「だけど、俺がモモちゃんを奪ったら、ものすごい勢いで奪い返しに来そうだけどね」
こわこわっ、と言って肩をすくめる真柴くん。
そんなことあるわけ……。
「モモちゃんみたいな子がそばに居て、つかまえとかないとか考えらんないんだけど。あ、いっちょ前にキスマークはつけてるみたいだけど」
「……っ」
それを言われると、顔があげられない。
「だからさ、ちょっと嫉妬させちゃえばいいんだよ。いつでもそばに居ると思ってると痛い目見るよって」
真柴くん、何かカン違いしてるみたい。
「伊緒くんが嫉妬なんてするわけないよ。だって伊緒くんは……」
もともと、伊緒くんは私のことを恋愛対象には見てないのに。
……悲しいけど。
「ふーん。だったらなおさらよくない?」
顔を目の前に近づけられて、思わず息をのむ。



