ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


「あま……」


そう口にすれば


「ええっ!?」


目の前のモモがものすごい速さでステーキをカットして、口へ放り込む。


「うっ……」


顔をゆがめ、口を手で押さえた。


「砂糖だね」

「……だね……」


塩を振るのと間違えて、砂糖を振ったらしい。

こんな漫画みたいな初歩的なミス、普通する?

狙ってもなかなかできないと思うんだけど。

すごいよ、さすがモモだよ。

ステーキ焼くのにどこにミスる要素があるのって思ったけど、やっぱりモモだった。

だけど、そんなモモもかわいくて仕方ない。


「塩コショウするだけの料理で失敗するなんてある意味天才」

「ううっ……ご、ごめんね~」


すっと。塩を差し出してくるモモ。