ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


***

「今日は、お祝いに私が伊緒くんのためにご飯を作るね!」


帰ると、モモにそう言われた。


「えっ、マジで?」


それって、喜んでいいのかわかんねえ。

だって料理もろくに出来ないモモがお祝いで料理を作るなんて。


「何がいい?」


キラキラした目で俺を見つめるモモ。


「モモ……」

「え?」


あっぶね。

うっかり"モモ"ってリクエストするとこだった。


「じゃあ……ステーキ」

「ステーキ?」

「ああ、お祝いって言ったらステーキだろ」


これなら失敗しようがないだろう。

肉を焼くだけだ。