ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。


入学式、壇上からも秒でモモを見つけたしな。

挨拶の時、ずっとモモを見ながらしゃべってたのに、モモはずっと下向いてるし。


「よお」


高鳴る心臓を押さえて声をかければ、


「え、伊緒くんっ!?」


まるで10年ぶりの再会みたいに目を丸くするモモ。

そんなに驚くこと?

そして、隣にいる亮介に目をやって、一瞬身を引いた。

モモって、亮介にだけはいつもやけに構えるんだよな。

もしかしてモモは亮介が好き、とか……?

モモの愛情表現がどういうものなのかわからないが、そうだったら、死ぬ……。

でも、特別視していることはたしかだ。


「伊緒くん、1位おめでとう! すごかったね!」


亮介を気にしつつ、モモは明るい声で言った。