どっちかっていたら、切ないこと考えてたし。


「だったらお仕置きしてあげるよ」


いつもより甘い声が、耳元をくすぐる。


「んっ……」


お仕置きって、してあげるものなの!?

べつに望んでないのにっ。


だけど私、耳弱いから……。

全部の神経が耳に集中して、動けなくなっちゃう。


「ふふっ」


それを見て、楽しむように笑う伊緒くんは、さらに「ふーっ」と耳元に息を吹きかけてくる。


「んあっ……やめっ……」


頭の中が真っ白になってふわふわしてくる。

自分でも何を言ってるのかもよくわかんなくて、あうあうと、赤ちゃんみたいに喃語ばっかり出てきちゃう。


それがおもしろいのか、伊緒くんの行為はエスカレートして。

伊緒くんの唇が耳たぶに触れて……パクっと挟んだ。


「~~~っ……!」