「伊緒、こんなとこにいたのかよ。教室戻るぞ」
そのとき、テーブルの端から声をかけてきたのは宇野くん。
わっ!!
どうやら、伊緒くんはもう別の席でお昼をとり終えていたみたい。
……わざわざここへ座ったってこと? 何のために?
宇野くんの登場に、普通なら一気に警戒モードに入るところだけど今日はちがう。
早く伊緒くんを連れてって~。
この困った状況に、私はすがるような目で宇野くんに目で訴えると、その後ろから別の男の子がひょっこり顔を出した。
「わ~、またかわいい子がいっぱいいる」
カナちゃんや柚ちゃんに手を振って「どーもー」なんて声をかけている彼も、特進クラスの人なのかな?
鼻にピアスをつけて、真柴くんと争えそうなくらい見た目チャラい男の子。



