「また明日にする?」

「そうだね。今日は購買のパンで我慢しようか」

「そうしよう」


みんなの意見がまとまって、食堂を出ようとしたとき。


「桃ちゃん、こっちっこっちー!」


ん? 
私を呼ぶ声が聞こえ、声の元を探せば、


「あれ、真柴じゃん?」


美雪ちゃんが指さす中央のほうで、真柴くんが立ち上がって手をふっていた。


「空いてるんじゃない? 行ってみよ!」


カナちゃんが目をキラっと光らせ、同時に走り出す。

私たちもあとに続くと、ちょうど真柴くんの座っている前の4つ並びの席に座っていた男子生徒が、もうすぐ食事を終わるところで。

私たちに気づき、急いで片付けて席を立ってくれた。

なんか、せかしちゃったみたいで悪いなあ……。