毎日抱かれてるあの抱き枕に嫉妬してる俺。

抱き枕なんていらねーよ。

俺が抱きたいのはモモなんだから。

──と。
ほおづえをついた俺の目に映ったのは、スカートから伸びる脚。

モモっ!?

顔を上げると、モモには似ても似つかない女子がにこっと笑いかけてくる。


「今日カラオケ行かない?」

「おっ、いいね~」


答えたのは瑛人で、ルンルンで俺の肩を揺さぶってくる。

女子もいろんなタイプのやつがいて、意外にもメイクバッチリでノリも軽かったりする。

日本の未来についてディベートしましょうなんて言われるよりかはよっぽどマシだけど。

どっちにしたって俺は行くわけない。


「パス」


ガタンッ、と席を立った。


「おーい、どこ行くんだよー」

「充電」

「はあ? スマホ?」


わけわかんないって顔の瑛人を置いて、俺は教室を出た。