今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

しばらくポヤポヤと意識が揺れる。

「ふわぁっ……」

あ……れ……。

天使さまが見えるっ……!


小さい頃に見た、ちっちゃくて可愛い天使さま……だ。


……ぼふっ……。

「んぇ?」

こ、こは……久遠くんの、豪華教室……。


「天音さ、煽ってんの」

あれ……押し倒されてる……?


「ば、バカにしてないよ……!」


また、ポヤポヤと意識が戻ってきた。


「……俺、すっげぇイラついてんの、わかる?」

「へっ……!?」

さっき、そういえば私ベタベタしてた……?


「ご、ごめんね……む、無意識で、べ、ベタベタしゃいまちたっ……」

「……あー……もうそれ」

「へ?」

ちゅっ。

「……!?」

唇を私は久遠くんに強引に押し当てられた。

「ふぁえっ……?」

「……あとはデコだな」

すると久遠くんは自分の服の袖でふきふきと私のおでこを拭いた。

「あ、あのっ……」

そして久遠くんは私のおでこにちゅっちゅと何回もキスを落とした。

「や、やめ……」

「あと、ここだね」

急に甘い喋り方をしては私の首筋に吸い付くように口付けた久遠くん。

「ひゃうっ……!?」

「痛い?」

「うんっ……」

チクッて痛かった……。