「あ、あはは、相変わらず冗談がうまいね」

「……はぁ……久遠も天音チャンも、本当に……」

「?」

私も久遠くんも……?

な、なんだろう?


「いいのよ颯、アイツと天音の焦れ焦れは見てて面白いからね」

「ふふふっ、そうだね」

「……まぁ、悪い方に転ばなきゃいいけど」


……?


さっきから、ふたりともなにを言っているんだろう?


——ガラガラ。


教室のドアが開き、久遠くんが入ってきた。


すると……まさかとは思うが、私の方に歩いてきたのだ。

「えっと……久遠くん、おはようございます……」

「天音、なんで俺のこと無視するの」

ギクッ!……


実は、昨日の夜から久遠くんから電話やメールが後をたたなかったのだ。


メール200件、電話150件と、見たことないくらいの数字だった……。

「俺のこと嫌いなった?」

「やば、ようちゃん久遠がメンヘラ起こしてる」

「嘘、やばいわね」


えっ……?め、メンヘラ……?久遠くんが……?

っていうか、久遠くん、口調がちがうよね……?